今週はラウンドレッスンと同時に五名様のアイアンを製作、調整、試打そして調整をしています。2セットのマッスルバックアイアンを作製(調整しながら試打)をしていると「気付き」がありました。その気づきをキャビティーアイアンに生かしてみようと、少し前にオーダー頂いて作製したキャビティーアイアンを分解して組み直してみました。結果は「これまでのモノとは凄く変わった」となりました。マッスルバックのアイアンを研究(調整、試打、分解の繰り返し)をしたお陰で、1セット限定で作り上げたキャビティバックのアイアンに新しい変化をもたらすことが出来たのです。前にオーダーを頂いた方に最高のアイアンをお渡ししようと思って「その方の意図に沿って作製したアイアン」ですが「全く異なった新しい変化」を加えることで凄く良くなりました。時間をかけて調整していくことで良くなることが改めて理解できました。このアイアンを使わなかったことが「上達の機会損失になるなぁ〜」と思える程の出来栄えだけど「使う人を選ぶアイアンになっている」ことは確かです。今回完成したキャビティーアイアンはプロトタイプ5号と命名します。プロトタイプ4号(マッスルバック)の流れを汲んで作っています。
マッスルバックの良さは操作性です。「これは良い」と思えるアイアンを手にする事が出来たなら「前倒しダウンスイングを使い更にロフトを伏せてフォロースルーを取っていけばマニュアル操作でガンガンロフトが立てれます。マッスルバック独特の形状から織りなす重心の高さと浅さにより、今流行りのロフトが立ったアイアンよりインパクトロフトを伏せることが出来ます。でもそれは「マニュアル仕様」です。下から煽るスイングではマッスルバックのアイアンは「軽い、飛ばない、難しいの三拍子が揃ったクラブ」となりますが「身体に優しいゴルフスイング」でクラブの使い方を覚えるとマッスルバックで調整したアイアンは「スパルタン(過激)なアイアン」に変化します。そのスパルタンな乗り味をキャビィティーバックに移行したアイアンを「東京にお送りしよう」と思っています。
今回のアイアンも「私の思いを形にして」お届けしたいと思っています。大阪のSさんと名古屋のYさんそして北海道のIさんが持っているアイアン(プロトタイプ3号)は私の製作したイメージを車で例えると「ハマー H1」です。ヘッドの重量が効いていますので悪路に強いです。そしてボールに浮力(バックスピン)もかけやすいです。特注のヘッド重量を味方にして「上からバーン」でいけます。そして面白いポイントは、オフセットと重心距離のお陰で「旋回性能が良い」ところです。重さでブツけてぶっ飛ばす的なアイアンですが、コーナリング性能とブレーキ性能が良いのが実は必殺技です。問題点と言えば「これに合うドライバーを作るのが、、、」です。ここはご使用いただいている3名様は解決済みです。
今回のプロトタイプ5号の作製イメージは「軽くて早い」です。プロトタイプ3号とは正反対なクラブです。プロトタイプ3号が「ハマー H1」なら今回のプロトタイプ5号は「ロータス エリーゼ」のような感じです。「アイアン」というカテゴリーは同じですが「その他は全く違う」と言えるクラブです。プロトタイプ5号は「軽さ」と「オフセットとロフト角が織りなす形状」で勝負します。「右手で打ち込むスイング」から卒業し「前倒しの軌道を使って、ロフトでボールを飛ばす」には最適なアイアンです。だからこそこれが必要と感じる「東京の方」にお送りします!これからの上達の相棒としてピッタリです!!プロトタイプ5号は手元に一個しかないのでもう少し時間をかけて試打と調整をして「ロングアイアンからショートアンアンまでの繋がり」を研究しようと思います。このアイアンのに合うウエッジも考えなければならないからです。意外とこれが大変かもしれません。
レッスン生の皆さんは私のスイングを直で見続けていくことで「スイングの違いを見分ける目が出来てきている」と思います。この「目」を作るには「良いモノを見て触って違いを感じとる」意外に上達させる方法はありません。目を作るとは「目利きになる」という事です。常識を知りつつ若干の非常識を取り入れることで「あれ?何これ?」が起こります。ゴルフスイングもゴルフクラブも「良くなる」には時間がかかります。小さな良い変化を「ちょっとずつ取り込んでいく」以外に方法はないと思います。