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調子を落とす事自体が悪い訳では無い。

 ゴルフの指導者をしていると「その人が持つバイオリズム」が見える時がある。(実際は目に見えて無いので「見える気になっている」が正しい。)

 今回のバイオリズムとは「ゴルフの調子の上げ下げ」だ。調子の上げ下げにも「長期的なモノから短期的なモノ」まである。ゴルフの上達には、必ず上げの局面と下げの局面が来る。例えて言うと「80台前半から70台後半が出るまで上達してくると、大体の場合はいったん休憩が入り若干下降する」上達の速度調整とも言える。面白いのは私のレッスン生だ。気持ちが強いので「もっと上に行きたくなる」のである。気持ちはよく分かる。「順調にきた時ほど、もう一段上に行きたくなる」のが人情だ。そんな時に起こるのが「大きめの調整」だ。他者から見ていると「自ら望んで大きめの調整に突入している」ように見える時もある。私は心にシートベルトを締めて「下がる準備」をして待ち構える。調子が悪くなると、うまくいっていた事が全て上手くいかなくなる。「ゴルフとは不思議なモノだ。」

 ここから先でもっと面白いことは、大きめの調整を経験した人は次の上昇も大きいのだ。「欲が大きい程に火傷も大きいけどリターンもデカいな」と思える。ゴルフが上達してきた人は「大きめの火傷を何度も何度も負ってきた人」だと思う。私は少し前までレッスン生の皆さんが「火傷をなるべく負わないように」と指導してきたが今は少し違う。大きく成長したいなら「覚悟を持って邁進するべき」だと思う。(この辺りの「受け止め方」は人によって違う。変化に慣れて無い人は「変化がストレスでしかない」と思う。変化をストレスに感じる人は「ゆっくり着実に時間をかけて焦らない」ことが大切だ。)私は「そのうちに慣れるよ」と言ってあげたい。そして大きめの調整の時は「ジタバタせずにもう一度基本に立ち返る時」だと思う。基本から外れ過ぎると調整が長引くのである。

 慣れとは面白いモノだと思う。変化をストレスと感じてきたレッスン生も、今では自ら変化を起こしていっている。だから皆それぞれのペースで着実に上達しているのだと思う。