23日のラウンドレッスン中に難しい課題に出会いました。表面1センチ位しか砂の入っていないバンカーです。砂の下はカチカチです。土手は返しがついていて1メートル位の高さがあります。ボールは土手の近くです。「うぅ〜ん」と唸りたくなるスチュエーションです。難易度が高い状態ですが私は打てます。それは私が技術を持つているというより「打てるクラブを持っている」という言葉が正解です。一般的なウェッジでは「フェースを開くか、閉じるか」「ソールをボールの手前から入れるか?直接ボールを打つか?」など選択肢が限られます。私は一般的なウエッジを持って打つなら「ギリギリで砂を薄く取る」という選択をします。距離に対して大きめのスイングで、ゆっくりとスイングします。その方がバンスがうまく滑るからです。
「砂の少ないカチカチバンカーで砂を薄くとり柔らかいボールを打つ」という選択にはミスが必ず付き纏います。少しトップに当たれば、土手に当たりまた同じ球の位置に戻ってくるでしょう。ボールの赤道近辺にリーディングエッジがヒットすれば大オーバーです。かなりの上級者でもこれと良く似たミスをする可能性は高いです。もし大きなミスを犯したくないならグリーンオーバーさせるつもりでAWかPWでボールを直接打ちます。勿論グリーンに止まらない可能性が高いでしょう。でもこの状態(砂の少ないカチカチバンカー)は「ミスを計算に入れておいて次のショットでリカバリーすると考えなければならない。」とホールアウト後ご指導させていただきました。「どうすればこのバンカーが柔らかいボールが打てますか?」とご質問頂ければ「ギリギリ砂を薄く取ってください」とご指導させていただきますが、「このライにおいて最善策は何ですか?」とご質問いただければ、最善策は「そのバンカーショットをミス覚悟で打つ」より「次の次に打ち易いライの場所にボールを置く為にどのようなショットを打つのか考えます」とお答えします。となれば前進だけが選択肢ではないかもしれません。
「私が難しいライからうまくボールを打てるのはクラブのお陰です」と言い切れる状態がいくつかあります。あるレッスン生の方が、私が作製したクラブ(ウエッジ)をお使いいただき「ピョンキチ」と名付けてられました。普通に打てば「空にピョンと上がる」からピョンキチなのだと思いますが、本当に不思議なクラブです。カチカチバンカーや薄芝に威力を発揮します。遠くには飛びませんが上にボールを上げるのは得意なクラブです。このクラブを使うと「とてもバンカーが上達した」という気持ちになりますが、普通のクラブに戻すと「何て打ちにくいクラブを使っているんだ」と思えてしまいます。これが「良いのか悪いのか」の判断は人によって分かれるところだと思いますが、バンカーは苦手ではなくなるでしょう。