私が自分のゴルフレッスンでは使わない言葉が2つあります。「遠心力を使って」と「大きなスイングアーク」です。その2つを合体すると「遠心力を使って、大きなスイングでボールを飛ばす」になります。今回のブログでは「何故その言葉をレッスンで使わないのか」を紐解いてみます。
先ずは「遠心力を使って」という言葉を考えます。回転運動で遠心力を使うと質量(重さ)は外に膨らもうとします。その原理を上手に利用したのが洗濯機の脱水機能です。洗濯槽を高速回転させて遠心力を発生させて洗濯物の使い水を切ります。
ではゴルフスイングで遠心力を使うとどうなるのでしょうか?「遠心力を使うとクラブヘッドは体から遠くを回ることになる」と考えるのが一般的ではないでしょうか。ということは、スイング中に遠心力を感じると「大きなスイングアーク」も同時に手に入れる事が出来ているのです。
【ここからがポイントです。】
多くのゴルファーは「遠心力」という言葉に良いイメージを持っていますが何故でしょうか?私は「遠心力」はゴルフスイングにとって良いモノだとは考えられないのです。
例えを出して考えます。車やバイクでコーナーを曲がる時の事を考えると良いでしょう。遠心力を使うとどうなるのでしょうか?スピードを上げてコーナに突っ込んで行った時はどうなるでしょうか?一般的には遠心力がタイヤのグリップ力を超えると車体はコントロールを失い外側のガートレールに向かって吹っ飛んでいきます。ここにポジティブなイメージはないはずです。これはゴルフスイングにも同じ理論が働くのです。
「遠心力を使った」&「大きなスイング(アーク)」の実体は「クラブヘッドの遠回り」だと私は考えているのです。
クラブヘッドの遠回りを言い換えると「クラブヘッドの振り遅れ」になります。遠心力は速度の二乗に比例して大きくなるので、クラブヘッドを早く振ろうとすればする程に振り遅れる理由も説明がつきます。
「クラブヘッドの振り遅れ」でも腰を先に回せばインパクトではプラスマイナス0(腰の先行でクラブヘッドの遅れを相殺して)でインパクト出来るので、短期的にはそれでオッケーなのかもしれませんが、そのうちに(年齢を重ねた時に)必ず腰が痛くなるので長期的にはいつかは破綻するはずです。
長期視点で破綻を前提にしたモノを私は扱いたくないので、私は一般的なスイング指導(シャロー軌道のゴルフスイング)とは違う指導になるのです。