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気づきを引き出すゴルフレッスン①

 「ティーチング」とは「指導」するということです。指導者の持つ「知識」「ノウハウ」「スキル」を指導していきます。

 「コーチング」とは「馬車」を意味するコーチ「coach」が語源とされています。「馬車」が「人」を「目的地」まで「送り届ける」という役割を果たすことから「目標達成を支援する」という役割が「コーチング」です。

 どちらも「レッスン生(指導対象者)の能力を引き出す」ための技術ですが、指導方法は全く違いますし、指導対象も全く違います。私自身の指導では「ティーチング」と「コーチング」を使い分けるよう意識して指導してます。

 今回の動画レッスンは、基本的に「コーチング」です。「傾聴」「質問」をメインとし、私から「模範解答」を与えるのではなく、その人の頭の中にある「答え」を「引き出して」いきます。これまでの私のレッスン動画の中で、私から先行して「答えを出してない」動画は「全てコーチング」の技術を駆使して指導をしております。決して「出し惜しみ」ではないのです。

 「コーチング」は「その人の中にある答えを導き出す作業」と言えますので、問題解決まで非常に時間がかかることがあります。そして指導対象者にある程度の「技量」がなければ「コーチング」になりません。ある一定の技量が身につくまでは「ティーチング(指導形式)」です。「ティーチング」では「守破離」を守ることが重要です。「ティーチング」がうまくいかない人の特徴は「守破離」を守れない人です。まだ一定のレベルに達してないのに「新しいやり方」「自己流」を作ろうとすると時間がかかります。「ティーチング」の最中は指導者に足並みを合わせるのが「一番得策」です。これはゴルフだけではなく全ての技術習得に通ずることだと考えます。

 私はゴルフレッスンにおいては「コーチング」での指導を得意としますが「コーチング」において必要不可欠なモノが「信頼関係」です。「信頼関係」がなければ、そもそも「ティーチング」も「コーチング」も成立しません。しかもその「信頼関係」とは「双方向性」にあります。私のことを信頼できなくなればそもそも指導は成立しませんが、私も信頼できないと感じれば、実はそれも深い繋がりを必要とする「コーチング」は出来なくなります。

 長い余談になりましたが、話を今回の動画に戻します。今回の動画レッスンで「傾聴」と「質問」から導き出された答えは「ラウンド中(本番)は下半身に意識がいかなくなること」「本番では、間合いが取れてない(間合いとは、トップの位置で一呼吸の間合いのことです)」「本番は、とにかく飛ばそうとしている(だから間合いが取れない)」「トップの位置で間合いが取れるほど、フィニッシュまで振り抜きやすい」「ダウンスイングの振り始めで腕に力が入ると、結局当たりが薄くなる」などです。今回の動画レッスンの中でこれだけの「気付き」がありました。

 今回のレッスン生の「気付き」を私なりにまとめさせていただきフィードバックさせていただきます。「ラウンド中に下半身に意識がいかなくなること」でラウンド中にミスが起こっているのではないかと推測されます。その根本原因は、ラウンド中の「意識の持ちよう」ではないかと考えられます。ラウンド中に意識を「飛ばそう」から「下半身の動き」に集中することで、ラウンド中の防げるミスもあるのではないでしょうか。

 私は指導に「コーチング技術」を取り入れることで、自分のことに気付けば「行動変容が起こる」と考えます。まずその第一ステップが練習場での「ティーチング」です。ある一定まで徹底的に技術習得です。そして第二ステップが「コーチング」です。一定の技量を超えると確信したら、指導方法を「ティーチング」から「コーチング」に少しずつ切り替えていきます。そこから先はゴルフ場での実戦指導(コースレッスン)も指導内容に加えていきます。ここまでの内容が私の指導プランのその一部です。